• 2026年8月8日
  • 2026年8月3日

シックデイの過ごし方 ― 糖尿病の方が発熱・下痢・食欲不振のときに気をつけること

夏本番となり、胃腸炎や暑さによる体調不良で受診される方が増える季節になりました。糖尿病で通院中の方にとって、発熱や下痢、嘔吐、食欲不振などで「いつも通りに食べられない日」は、血糖コントロールの面でも特別な注意が必要な「シックデイ」にあたります。「お薬はどうすればいいの」「食べられないのにインスリンを打っていいの」といった不安の声を、診察室でもよく伺います。今回は、シックデイの基本的な考え方と、当院が通院中の皆さまにお伝えしている注意点をまとめてご紹介します。個別のお薬の調整については、必ず事前に主治医と取り決めておいてください。

シックデイとは? ― 発熱・下痢・食欲不振のときに何が起こるか

シックデイとは、糖尿病のある方が発熱、下痢、嘔吐、食欲不振などで、普段通りの食事や水分がとれない状態を指します。体調が悪いとき、体はコルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンを多く分泌し、これらは血糖値を上げる方向に働きます。一方で、食事量が減ることや嘔吐・下痢の影響によって、血糖はむしろ下がりやすくなることもあります。つまりシックデイは、高血糖にも低血糖にも傾きうる、血糖が非常に不安定になりやすい時期なのです。日頃の血糖管理や合併症予防を含めた通院の全体像については、糖尿病と長く付き合うための千城台での通院でも触れていますので、あわせてご覧ください。

基本原則:安静・保温、水分補給、糖質はできる範囲で

シックデイ対応の基本は「安静・保温」「水分補給」「糖質の確保」の3つです。まずは体を温めてゆっくり休むこと。そして脱水を防ぐため、水分は1日1リットル以上を目安に、お茶や味噌汁、スープ、経口補水液などでこまめに補ってください。夏場は発汗も加わって脱水が進みやすいため、いつも以上に意識して水分をとることが大切です。食欲がなくても、おかゆ、うどん、果汁、スポーツドリンクなど口にしやすい形で糖質を少しずつ摂るようにしましょう。まったく食べられない状態が続くと、今度は低血糖のリスクが高まってしまいます。

インスリン治療中の方は自己判断で中断しないでください

インスリンで治療中の方は、体調が悪く食事がとれないときでも、自己判断でインスリンを中断しないことが大原則です。特に1型糖尿病の方がインスリンを中断すると、糖尿病性ケトアシドーシスという命に関わる状態に陥る危険があります。食べられないときの単位数の調整方法については、体調が良いときにあらかじめ主治医と相談して決めておく「シックデイルール」に沿って対応してください。またシックデイの間は、血糖値を普段よりこまめに測定し、変化を把握することも重要です。血糖が下がりすぎているときのサインについては、低血糖の記事もあわせてご確認ください。

飲み薬の目安 ― 続ける薬・休む薬

内服薬についても、種類によってシックデイでの対応が異なります。以下はあくまで一般的な目安であり、実際にどう調整するかは必ず事前に主治医と取り決めておいてください。

  • SGLT2阻害薬:脱水やケトアシドーシスのリスクが高まるため、体調不良時は休薬するのが基本です。
  • メトホルミン:脱水した状態で服用を続けると乳酸アシドーシスのリスクが高まるため、こちらも休薬を検討します。
  • SU薬・グリニド薬:食事量が減っているのに通常量を服用すると低血糖を起こしやすいため、食事量に応じて減量・中止を検討します。

どの薬をどのように調整するかは、病状やお薬の組み合わせによって異なります。お薬の種類についてはお薬の種類でも解説していますので、参考にしてください。

こんなときは早めに受診を

以下のような場合は、様子を見ずに早めに医療機関へご連絡・受診してください。

  • 半日〜24時間近く、ほとんど食事や水分がとれない
  • 嘔吐や下痢が止まらない
  • 血糖値が350mg/dLを超える状態が続く
  • 意識がぼんやりする、反応が鈍い
  • 尿の量が極端に少ない、ほとんど出ない

特に夏は、熱中症による脱水と胃腸炎による脱水が重なりやすく、症状が急速に悪化することがあります。「もう少し様子を見よう」と思わず、早めのご相談を心がけてください。

千城台で「自分のシックデイルール」を決めておきましょう

シックデイへの一番の備えは、元気なうちに主治医と「自分の場合はどう対応するか」というシックデイルールを話し合っておくことです。当院では糖尿病内科専門医として、通院中の皆さまお一人おひとりの治療内容に合わせて、シックデイの対応方法を個別にご説明しています。日頃の血糖管理から合併症予防まで含めた通院の流れについては、糖尿病と長く付き合うための千城台での通院でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

当院は千城台駅直結、イコアス千城台2階(千葉市若葉区)にございます。無料駐車場も完備しておりますので、お車でも通いやすい環境です。Web予約は24時間受付中ですので、シックデイの対応にご不安がある方、まだご自身のシックデイルールを主治医と決めていない方は、お気軽にご相談ください。

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