- 2026年8月7日
- 2026年8月3日
低血糖の症状と対処法 ― 冷や汗・動悸・手の震えを感じたら
「冷や汗が出て手が震える」「急に動悸がして力が抜ける」——このような経験をされたことはありませんか。糖尿病のお薬による治療を受けている方にとって、低血糖は決して珍しい出来事ではありません。正しい知識があれば慌てずに対処でき、重症化を防ぐこともできます。今回は低血糖のサインの見分け方と、その場でできる対処法について、当院からご説明します。
低血糖とはどんな状態か ― 血糖値70mg/dL未満のサイン
低血糖とは、血液中のブドウ糖(血糖)が必要以上に低下した状態を指します。一般的には血糖値がおおよそ70mg/dL未満になると、体がさまざまな症状を出して知らせてくれます。血糖値を下げる薬、特にインスリン注射やSU薬(スルホニル尿素薬)を使用している方は、食事量や運動量、薬の作用のタイミングによって血糖が下がりすぎることがあります。どのお薬が低血糖を起こしやすいかについては、お薬の種類についての記事でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
低血糖の症状は段階的に進みます
低血糖の怖いところは、放置すると症状が段階的に悪化していく点です。まず血糖値が下がり始めると、体を守ろうとする交感神経が働き、冷や汗、動悸、手の震え、強い空腹感、不安感といった症状が現れます。これは体からの「早めに糖分を摂ってください」というサインです。

ここで対処をしないまま血糖値がさらに下がると、脳へのブドウ糖供給が不足し、頭痛、目のかすみ、強い眠気、集中力の低下といった中枢神経症状に進みます。さらに重症化すると、意識がもうろうとしたり、意識障害やけいれんを起こすこともあります。症状が軽いうちに気づいて対処することが何より大切です。
低血糖が起きたときの対処法 ― まずはブドウ糖10gを
低血糖の症状を感じたら、まずブドウ糖10gを摂取してください。ブドウ糖が手元にない場合は、砂糖20g、またはブドウ糖を含むジュース150〜200ml程度でも代用できます。摂取後は15分ほど様子をみて、血糖測定ができる方は再度測定し、症状が改善しない場合はもう一度同量を摂取します。

ここで一つ注意点があります。α-グルコシダーゼ阻害薬(食後の血糖上昇をゆるやかにするお薬)を服用中の方は、腸での砂糖の分解・吸収が遅れるため、砂糖では血糖の回復が遅くなります。必ずブドウ糖そのものを摂るようにしてください。ご自身がどのお薬を使っているか分からない場合は、当院・主治医にご確認いただくと安心です。
低血糖を起こしやすい場面と、繰り返す場合の注意点
低血糖は、次のような状況で起こりやすくなります。
- 食事の時間が遅れた、あるいは食事量がいつもより少なかった
- いつもより長く、あるいは激しく運動した
- お酒を飲んだ(アルコールは肝臓での糖放出を抑えるため注意が必要です)
- インスリンやSU薬を使用しているのに、食事とのタイミングがずれた
また、発熱や嘔吐・下痢などで食事が十分にとれない「シックデイ」の際にも血糖が不安定になりやすく、低血糖のリスクが高まります。シックデイの過ごし方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
低血糖を繰り返すと、体が低血糖に慣れてしまい、前兆となる交感神経症状が出ないまま急に意識障害に至る「無自覚性低血糖」を起こすことがあります。また、高齢の方では典型的な症状が出にくく、なんとなくぼんやりする、いつもと様子が違うといった非典型的な形で現れることもあるため、ご家族の見守りも大切です。低血糖を恐れるあまり自己判断でお薬を中断してしまうと、今度は高血糖のリスクが高まります。低血糖を繰り返す場合は、我慢せず当院・主治医にご相談ください。お薬の種類や量を調整することで防げる場合が多くあります。
運転前の確認とご家族との情報共有
自動車を運転される方は、運転前に血糖値を確認する習慣をつけ、車内にブドウ糖を常備しておくことをおすすめします。運転中に低血糖症状が出た場合は、無理をせず安全な場所に停車してから対処してください。
また、重症低血糖に備え、ご家族にも症状の現れ方や対処法を知っておいていただくと安心です。もし意識がはっきりしない状態のときは、誤嚥の危険があるため無理に口に物を入れず、速やかに救急要請をしてください。低血糖の程度によっては、鼻から噴霧するグルカゴン製剤による応急処置が有効な場合もあります。処方が必要かどうかは、当院・主治医とご相談のうえ判断します。
千城台での糖尿病治療・低血糖のご相談は当院へ
低血糖は、正しい知識があれば決して怖いものではありません。日々の血糖の変動をより詳しく知りたい方には、CGM(Dexcom G7)による持続血糖測定という選択肢もあります。低血糖の起こりやすい時間帯やパターンを可視化できるため、お薬の調整にも役立ちます。糖尿病治療全体の流れについては、千城台での通院についてまとめた記事もぜひご参照ください。
低血糖を繰り返す、対処法に不安がある、といったお悩みがありましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。当院は千城台駅直結、イコアス千城台2階(千葉市若葉区)にあり、無料駐車場も完備しております。Web予約は24時間受付中ですので、ご都合の良いお時間にぜひご利用ください。
