- 2026年5月19日
インスリン療法を始めるといわれたら ーよくあるご不安と当院での流れ
診察で「そろそろインスリンを始めましょう」とお話があったとき、多くの方が「怖い」「これからどうなるのか」と感じられます。お気持ちはとてもよく分かります。一人で抱え込まず、まずは仕組みを知るところから始めてみませんか。本記事では、外来でよく伺うご不安と、当院でのインスリン導入の流れをお伝えします。
そもそもインスリン療法とは
インスリンは、本来であれば膵臓(すいぞう)から分泌され、血糖値を下げる働きをするホルモンです。糖尿病では、このインスリンの分泌が不足したり、効きにくくなったりするため、血糖値の高い状態が続いてしまいます。
インスリン療法は、足りなくなったインスリンを注射で外から補う治療です。1型糖尿病ではほぼ必須の治療となりますが、2型糖尿病でも、内服薬だけでは血糖が下がりにくくなった段階で導入を検討することがあります。
「インスリン=重症」というイメージは誤解です
「インスリンは最後の手段」というイメージをお持ちの方が多いのですが、これは少し誤解です。
たしかに以前は、長く飲み薬で治療を続けて効果が頭打ちになった段階で導入されることが一般的でした。しかし近年では、早めにインスリンを使って疲れた膵臓を一度休ませることで、その後の経過が良くなる場合があると報告されています。
血糖の状態が改善すれば、内服薬への切り替えが可能になるケースもあります。「一度始めたら一生」とは限らない、と知っていただければと思います。
よくあるご不安にお答えします
外来でよく伺うご質問に、簡潔にお答えします。
- Q. 一生続けるのですか?
ご病状によって異なります。血糖が安定し、ご自身の膵臓の機能に余力が戻れば、内服薬への切り替えを検討することもあります。 - Q. 自己注射は痛いですか?
ご使用いただく針はとても細く、痛みは少ないとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。最初は不安が大きいものですが、看護師と一緒に練習を重ねるうちに慣れていただけます。 - Q. 仕事や旅行に影響しますか?
ペン型の注射器はコンパクトで、ご出張や旅行にも持ち運びやすいかたちになっています。タイミングだけ意識していただければ、日常生活への影響は限定的です。 - Q. 低血糖が心配です
低血糖の対処法(携帯のブドウ糖など)は外来でしっかりお伝えします。持続血糖測定(Dexcom G7)を併用すれば、変動の傾向も把握しやすくなります。
当院での導入の流れ
当院では、お一人おひとりのペースに合わせて、次のような流れで進めております。
- 医師との面談で、ご不安や生活背景、お仕事の状況を伺いながら、治療方針をご相談
- 看護師による自己注射の練習(院内)。納得いただけるまでお時間をかけます
- ご自宅での実施。最初は簡単な記録をつけていただき、変化を一緒に確認
- 定期受診で量や種類を調整し、ご自身に合うペースを探していく
必要に応じて、持続血糖測定(Dexcom G7)との併用もご相談いただけます。
日々の暮らしで気をつけたいこと
- 食事の時刻と注射のタイミングを大きくずらさない
- 携帯のブドウ糖を常に持ち歩く(低血糖時のため)
- 体調が悪い日(シックデイ)には、ご自身の判断だけで決めず、必ず医療者にご相談を
- ご家族にも治療内容を共有しておくと、いざというときに安心です
ご無理のない範囲で、生活に少しずつ溶け込ませていけたらと思います。
ご相談をお待ちしています
当院は千葉市若葉区にあるショッピングセンター「イコアス千城台」の2階にございます。千葉都市モノレール千城台駅と直結しており、お買い物のついでにお立ち寄りいただくこともできる立地です。千城台や小倉台、御成台、桜木方面など、お近くの方にも無理なく通っていただけるかと思います。
院長は日本専門医機構認定の内分泌代謝・糖尿病専門医として、患者さまお一人おひとりのご不安に寄り添う診療を心がけております。「インスリンを始めましょう」と他院でお話があった方、検討中の方、いずれもお気軽にご相談ください。Web予約または受付までお声がけください。健診結果や紹介状をお持ちいただけるとスムーズです。
中山内科クリニック
院長 幸田圭太