• 2026年8月4日
  • 2026年8月3日

糖尿病の食事療法の基本 ― 無理なく続けるコツを糖尿病内科専門医が解説

「糖尿病と言われたら、もう甘いものもご飯も食べられないのでは」「食事療法と聞くと、我慢ばかりの生活を想像してしまう」——当院の診察室でも、こうした不安をお聞きすることがよくあります。健診で糖尿病予備群を指摘された方から、すでに治療中の方まで、食事に関する悩みは尽きません。今回は、糖尿病内科専門医の立場から、無理なく続けられる食事療法の基本についてお話しします。糖尿病治療の全体像についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。

食事療法は糖尿病治療の土台です ― 「食べてはいけないもの」はありません

食事療法は、薬物療法やインスリン療法とあわせて、糖尿病治療の中心となる柱の一つです。ただし、当院がまずお伝えしたいのは「絶対に食べてはいけないものはない」ということです。特定の食品を一切禁止するのではなく、量やタイミング、組み合わせを工夫しながら、血糖値の急な変動を穏やかにしていくことが食事療法の本質です。

厳しい制限を自分に課してしまうと、かえって反動で食べ過ぎたり、長続きしなかったりすることも少なくありません。大切なのは「一生続けられるかどうか」という視点です。完璧を目指すのではなく、日々の生活の中で少しずつ無理のない習慣に近づけていくことを、当院では大切にしています。

適正エネルギー量とバランスの考え方

適正エネルギー量の目安

食事療法の出発点は、ご自身に合った適正エネルギー量を知ることです。目安として、目標体重(kg)に、身体活動量に応じた係数(デスクワーク中心の方でおおむね25〜30kcal/kg程度)をかけて算出する方法が広く用いられています。ただし年齢や合併症の有無、活動量によって適正な値は一人ひとり異なりますので、正確な数値は当院にご相談いただきながら決めていくことをおすすめします。

栄養バランスと野菜・食物繊維

エネルギー量とあわせて意識していただきたいのが、炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスです。極端にどれかを減らすのではなく、主食・主菜・副菜がそろった食事を基本とし、そこに野菜や海藻、きのこ類などの食物繊維を積極的に取り入れることが、血糖コントロールの助けになります。食物繊維は糖の吸収を緩やかにする働きがあり、毎食の副菜として意識的に加えていただきたい要素です。

食べる順番とゆっくり食べる習慣で食後高血糖を穏やかに

同じ食事内容でも、食べる順番によって食後の血糖値の上がり方は変わってきます。野菜(食物繊維)から先に食べ、次にたんぱく質のおかず、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べる「ベジファースト」を意識するだけで、食後高血糖を緩やかにする効果が期待できます。

あわせて大切なのが、よく噛んでゆっくり食べることです。早食いは血糖値を急上昇させやすく、満腹感を得る前に食べ過ぎてしまう原因にもなります。一口ごとに箸を置くなど、ちょっとした工夫で食事のペースはゆっくりになります。また、忙しさから欠食してしまい、次の食事でまとめて食べるという習慣は、血糖値の変動をむしろ大きくしてしまうため注意が必要です。1日3食、決まった時間に規則正しく食べることも、食事療法の大切な要素です。

甘い飲み物・間食・極端な糖質制限にご注意ください

清涼飲料水や加糖飲料は、少量でも血糖値を急激に上げやすいため、日常的に飲む習慣がある方は見直しをおすすめします。果物にも糖分は含まれますが、食物繊維やビタミンも豊富ですので、量とタイミングを工夫しながら適度に楽しむ形が現実的です。間食についても、完全に禁止する必要はありませんが、時間と量を決めて、だらだらと口にしないよう意識していただければと思います。

近年、糖質を極端に制限する食事法への関心も高まっていますが、自己判断での急激な糖質制限には注意が必要です。特に薬物療法やインスリン療法中の方が炭水化物を大きく減らすと、低血糖を起こすリスクが高まります。また、極端な糖質制限を長期間続けた場合の安全性については、まだ十分に確立していない部分もあります。糖質の量を大きく変える場合は、必ず事前に当院にご相談ください。

外食・中食を上手に選ぶコツ

忙しい毎日の中では、外食やコンビニなどの中食に頼る場面も多いことと思います。丼ものや麺類など単品メニューは、炭水化物に偏りやすく野菜が不足しがちですので、できるだけ主食・主菜・副菜がそろう定食型のメニューを選ぶのがおすすめです。丼や麺を選ぶ場合も、サラダやおひたしなどの野菜メニューを一品追加するだけで、栄養バランスはぐっと改善します。

外食が続く時期であっても、それ自体を過度に気にする必要はありません。選び方の工夫を積み重ねていくことが、無理なく続けられる食事療法につながります。

当院にご相談ください

食事療法は、運動療法とあわせて糖尿病治療の両輪となるものです。運動を取り入れる際のポイントについてはこちらの記事でもご紹介していますので、あわせてご参照ください。糖尿病治療全体の流れや合併症の管理については、こちらの記事で詳しくまとめております。

食事の見直しは、頭では分かっていても、一人で続けるのはなかなか難しいものです。当院では、糖尿病内科専門医が一人ひとりの生活背景や好みに合わせて、無理なく続けられる食事の工夫を一緒に考えてまいります。「何をどう変えればよいか分からない」「今の食べ方が合っているか不安」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

また当院では今後栄養指導を導入予定です。(オンライン限定)
時期が来ましたらまたご連絡させていただきます。

当院は千城台駅直結、イコアス千城台2階(千葉市若葉区)にあり、お仕事帰りやお買い物のついでにも通いやすい立地です。無料駐車場も完備しておりますので、お車でのご来院も可能です。Web予約は24時間受付中ですので、ご都合の良いタイミングでぜひご予約ください。

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